その七
ホントにあったキャッシング詐欺の手口
この記事の内容
事件ファイルNo.2
事件簿その弐 拾った財布ひとつで金を借りまくった男
次の事件の主人公はBです。
(免許証から住所が判明。名刺から勤務先も判明しました。)
(堂々と免許証を出して本人だと名乗れば、よほど外見がかけ離れていなければ意外と見逃してしまうケースがあるようです。またこのようなケースでは、あえて審査のゆるそうなローカルな地方銀行を狙うようです。)
「すぐにお金を貸してほしい」といったケースが多い消費者金融では、契約書の取り交わしは融資後になることが多くあります。
後日、財布の持ち主の家に契約書類が届きます。ここで財布の持ち主が不審に思い消費者金融に連絡していれば、もっと早く発覚したかもしれませんが、郵便はしばらく放置されたままになっていたようです。
刑事告訴する業者は少ない
このように、具体的な手口を見ると、本気で捜査されたら簡単に足が付きそうな、陳腐な手口であることがほとんどです。
中には、免許証や源泉徴収票などを精巧に偽造して、完全に架空の人物になりすますような、本格的な「プロの詐欺集団」のような手口もありますが、このような、「なりすまし」の大多数は、このような、素人技です。
しかし、この程度の陳腐な手口がまかり通っていた背景には、詐欺がバレても「刑事告訴」する業者がほとんどなかったということがあげられます。
ご存知のように、消費者金融1社から新規で借入れ出来る金額は50万円以下の少額で、せいぜい10万円~30万円程度です。
この程度の少額の損害であれば、わざわざ手間をかけて刑事告訴するよりも、貸し倒れ処理をした方が合理的だからです。
(ちなみに、事件ファイルで紹介した事例についても、刑事告訴は行っていないとの話でした。)
詐欺は割に合わない!?
最後に、再度念を押しておきますが、このように刑事告訴する会社がほとんどないからといって、安易に消費者金融に嘘で融資を受けるとはかなり危険な行為と言えます。
正当な手続きを踏んで借りたお金は、例え踏み倒しても犯罪にはなりませんが、詐欺でお金を騙し取ったのであれば、例えお金の返済を続けていても犯罪です。
また詐欺による借入れは、自己破産をしても免責不許可事由にあたる場合もあります。
このようなことからも、割に合わない行為だということを十分理解しておいて下さい。